§ おせちとゆず紅茶 〜忙しい主婦のための〜 §
2004.12.10
 2004年もあっという間。街はクリスマスカラーに染まり、年の瀬が来る。クリスマスにはもはや定番となったクリスマスケーキが多くの家庭で食される。同時に紅茶の消費も、一年の中でどんな日より多くなる一日だ。バター、生クリーム、今流行のチョコレートを用いたケーキは紅茶でなくて何と合わせる、という位のベストペアリングだ。
 しかしクリスマスも過ぎ、お正月を迎えるとなるとそんな優雅な時間もなくなり、自然と小走りになっている程忙しい。
 お正月にはもちろん「おせち」は欠かせない料理だ。神饌(しんぜん)に供え奉り、宴の料理として江戸時代後期から伝わったとされるが、時代と共に変化し、重箱に各家庭の味が詰め込まれるものに変わっていった。また年中家事に追われる主婦に休養させるための料理、との解釈もあると聞く。
 私の「おせち」といえば、まずは「お煮しめ」次に「黒豆」か?その他栗きんとんや昆布巻などだが、どれも紅茶とは全く結びつかない。
 しかしおせちには欠かせない食材、「柚子」に着目した。
おせちの中の柚子は、煮物や椀物に使用され、香りや彩りを演出する。同じかんきつ類でも、その香りはレモンやオレンジなどの『洋』をイメージするものとは違い、『和』のイメージ。
 この柚子を使った紅茶を紹介しよう。
 作り方は実に簡単で、茶葉は軽めのスリランカ産(キャンディ茶やディンブラ茶)を使用し、普通にポットで蒸らします。その時に柚子のピールを1p角で2枚ほど切り取り、一緒に茶葉と3分〜4分蒸らしましょう。そのままカップに注いで飲みます。
 なんとこれが、おせちに合う。紅茶はケーキばかりではなく、立派に和の料理とも合う事が証明できます。香りを強く楽しみたければ、ティーカップに千切りしたものを浮かべると効果的。不思議にミルクを加えても全く問題なし。
 是非、日本全国の主婦の皆様。おせち作りで忙しい思いをした後は、おせちにベストペアリングの柚子ティーを飲んで、優雅なお正月をお過ごしいただきたいと思います。
紅茶専門店ハーヴェスト  松川


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