§ 紅茶のシャンパン §
2005.4.15
 紅茶の銘柄の中で「ダージリン」を知っている人は非常に多い。紅茶を代表する銘柄でその香りは、フルーツのマスカットに似ていて味は強い渋味とすっきりとしたさわやかさが特徴だ。そんな清涼感のある味わいやフルーティーな香りを持っている事が「紅茶のシャンパン」と例えられる所以だろう。
 標高300m(ブッタボン茶園など)から1500m以上(ジュンパナ茶園など)まで約2万ヘクタールの広大な中で栽培されており、ヒマラヤ山脈から吹きつける風と照りつける直射日光によって、香り、味、水色(すいしょく)が絶妙な、高級品質の紅茶が作られるのである。
 ここで改めて伝えたい事は、ダージリンはシーズンティーと呼ばれ紅茶の収穫期によって、味わいや用途は全く違う紅茶となるという事である。収穫は毎年3月の初旬から始まり、11月いっぱいまで行われている。その収穫時期によってそれぞれに名称があるのはご存知でしたか?皆様に是非、紅茶にも旬があると言う事を知って頂きたい。
 
☆ファーストフラッシュ(3月初旬から4月末頃迄)
 3月初旬から試し摘みされ、その後3月中旬から1ヶ月程しか収穫されない貴重な紅茶。
 茶葉は緑茶のような緑色が特徴で、水色は黄金がかった淡い色。香りはマスカットのようなさわやかな香りが印象的で正に“紅茶のシャンパン”と呼ばれている。
 ブラックティーで楽しんで下さい。
 
☆セカンドフラッシュ(5月初旬から7月中旬迄)
 ダージリンのクオリティーシーズンと呼ばれ英国では一番人気がある。水色はオレンジ系に変わり、フルーティーな香りと刺激的な渋味があり、最高の味わい。
 ブラックティーとミルクティーで楽しめる。
 
☆オータムナル(10月から11月)
 ファースト、セカンドに比べて香りは弱くなるが、水色はワインレッドのような深い赤色になり、濃厚な渋味と濃い水色がミルクとの相性は最高!ミルクティーには欠かせない。
 
 以上のように、ダージリンはダージリンでも収穫時期によってその風味や味わいは全く異なるのである。
 毎年、「どんな香りがするのだろう?」と試し摘みが行われる。DJ1(ディージェーワン)と言い、正真正銘の一番茶だ。今年はヒマラヤの春の花を束ねたブーケの香りと快い刺激的な優しい味わい。そして今年もヒマラヤの春がハーヴェストに到着した。
紅茶専門店ハーヴェスト  松川


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